
エフェメリスだより 2026年4月号をお届けします。
窓の外、夕暮れが街の輪郭を曖昧に溶かしていく。 三階のこの部屋には、まだ微かにユーカリの鋭い香りが残っている。
私は机に置かれた古い天体暦(エフェメリス)の、四月のページをめくる。 紙の擦れる乾いた音が、静寂に等質なリズムを刻む。
指先が辿るのは、無機質な数字の羅列。 しかし、その奥には、数億キロ先の冷徹な光が脈動している。
今月の天球が示しているのは、 「私たちは、未知なる光をどう迎え入れるのか」という問いだ。
あなたは、この春の重たい空気の中に、 かすかな、しかし鋭い風の気配を感じているだろうか。
冒頭部分より
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