
掌編小説「咆哮するバックヤード ―六本木の星、精肉売場に立つ―」を書きました。
お時間があるときにぜひお読みください。
スーパーの精肉部門のバックヤードは、常に十度以下に保たれている。 冷気に包まれたステンレスの作業台で、牛脂の混じった独特の匂いを嗅ぎながら、佐藤さんは鮮やかな手つきで牛モモ肉を捌いていく。白い衛生帽からはみ出た白髪混じりの揉み上げと、鋭い眼光。彼はこの精肉部門の「契約社員」だが、漂う空気感はどこかのアウトローな職人に近い。
「いいか、肉ってのは対話なんだよ。力でねじ伏せちゃいけねえ」
冒頭部分より
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